SEIAN LIGHTS

《ANONYMOUS LIGHTS》

概要

企画 山城大督、野田智子
監督?撮影 山城大督
音楽 外山 央
制作 野田智子、必威体育
制作アシスタント 森川知美(総合領域)
出演 ライラ未遊(空間デザイン領域)
メイキング撮影 岡田 健(メディアデザイン領域)
撮影協力 松永大地、本学学生|青木詩歩?岩瀬優奈?小田原朱里?嘉数 槙?岸本由美子?橋口菜穂?日下愛実?松﨑智美(総合領域)、織辺紗邪加?岸本祥太?嵯峨昌紀(美術領域)、井上 満?後藤由香里?榊原大貴?寺村卓磨?刀禰朋子?長谷川瑠夏?森田蒔子(メディアデザイン領域)、廣秋優里?安岡つづみ(空間デザイン領域)、北澤 凛(メディアデザイン領域 研究生)、高野眞子?中野由佳子(総合領域 卒業生)、鍋島野歩人(イラストレーション領域 卒業生)
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山城大督

Daisuke YAMASHIRO

1983年大阪生まれ。美術家。映像ディレクター。ドキュメントコーディネーター。映像の時間概念を空間やプロジェクトへ展開し、その場でしか体験できない《時間》を作品として制作する。2007年よりアーティスト?コレクティブ 「Nadegata Instant Party (中崎透+山城大督+野田智子)」を結成し、他者を介入させ出来事そのものを作品とするプロジェクトを全国各地で発表している。 2013年には1年間に渡って映像表現を再考するプロジェクト「東京映像芸術実験室」を展開し、企画内で制作発表した作品《VIDERE DECK/イデア?デッキ》が第18回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品を受賞。主な個展に『VIDERE DECK /イデア?デッキ』(2013、アサヒ?アートスクエア[東京])、グループ展に『あいちトリエンナーレ2013』(Nadegata Instant Partyとして、中部電力 本町変電所跡地[愛知])がある。岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー[IAMAS] 修了、京都造形芸術大学芸術学部卒業、山口情報芸術センター[YCAM]エデュケーターを経て、東京藝術大学映像研究科博士後期課程。明治学院大学、京都造形芸術大学非常勤講師。
http://the.yamashirostudio.jp/

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野田智子

Tomoko NODA

1983年岐阜県生まれ。アートマネージャー。必威体育 造形学部 デザイン科 写真クラス卒業、静岡文化芸術大学大学院文化政策研究科修了。無人島プロダクション、NANJO and ASSOCIATESを経て、2014年より個人事務所「一本木プロダクション」主宰。ジャンルや環境にとらわれず表現者の作品マネジメントを中心に様々なプロジェクトを立ち上げ展開している。また2007年から美術家と共にアーティスト?コレクティヴ「Nadegata Instant Party(中崎透+山城大督+野田智子)」を結成し、他者を介入させ出来事そのものを作品とするプロジェクトを展開、全国各地で発表する。現在、2015年秋に愛知県名古屋市にオープンする新たなアートプログラムの立ち上げに関わっている。
http://ichipro.jp/

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外山央

Hiroshi TOYAMA

1981年滋賀県生まれ。必威体育 造形学部 デザイン科 研究生修了。2005年より、グラフィック?デザイン、写真、映像、サウンドなどさまざまなメディアを用いて活動を行う。2007年より、デザイナーズグループ『intext』に参加。2009年より、アート/デザインユニット『softpad』に参加。intextの活動として、これまでに、『fount』(2012)、『book』(2013)の2枚のアルバムをリリース。また、night cruisingからのコンピレーション?アルバム『tone』(2012)に楽曲提供。展覧会では、『phono/graph』(2012/ドイツ)、『VOLTA11』(2015/スイス)などに出品。softpadの活動として、『CLOUD FOREST(中谷芙二子+高谷史郎)』(2010/山口情報芸術センター)におけるオープニングイベントでのデモンストレーティブ?パフォーマンス、『自然学|SHIZENGAKU –来るべき美学のために–』(2012/滋賀県立近代美術館)などがある。
http://www.hiroshitoyama.com

《ANONYMOUS LIGHTS》によせて

光が、対象物を照らしながらゆっくりと横ぎっていく。静かに動く木漏れ日や円光、輝きながら舞い降りる文字、緩やかに反復する琵琶湖の水面、じっくりと立ち現れる虹。そのどれもが瑞々しく落ち着きを放っている。わずか数秒ほどで撮影されたシーンはすべてスローモーション加工されており、我々が普段感じることのない「光」を見ることができる。

太陽光を鏡に反射させた光を撮影するこの手法は、構想をはじめた早い段階に決定した。それは、大学の立地、校舎の建築に由来する。大学の正門をくぐると、2階建てのドーナツ状の校舎が建ち、中央の中庭には大きな木が生えている。庭を抜けると食堂、そこから先は2階建ての四角い無機質な建物群が続き、大きな階段とグラウンドが現れ、階段からは琵琶湖を臨むことができる。とりたてて大きな建物がないため、学校のどこにいても太陽の光を感じることができる。

撮影は、雪の降る2014年3月からすすめられた。撮影の絶対条件は「太陽が出ること」。数ヶ月間、太陽とにらめっこしながら大学に通う日々が続いた。卒業から10年もの歳月が過ぎたが、大きすぎないキャンパス、建物をすり抜ける風、広く感じる空は変わらず、体になじむ。鏡をもち、大学内の様々な物?場所に光を照らしては撮影を繰り返す。建物に沿って動かしてみたり、オブジェクトを照らすことで影をつくったり、画の抽象度を高くし光の存在を強くみせたり、試行錯誤しながらシーンをつくっていった。このようなプロセス/行為は、創造を学ぶための場所であるキャンパスで展開することで、学生の軌跡(すなわち???自分の軌跡)を照らすようであった。

「創造とは何か」という問いへの、ひとつの解を試みる機会を与えてくれた必威体育に感謝したい。幾度にもわたる撮影をサポートをしてくださった広報のみなさん、制作アシスタントの森川知美さん、メイキング撮影の岡田健さん、協力してくださった多くの方々にはこの場をかりて多謝申し上げる。

タイトルが示すように、「匿名の光」が折り重なったこの学び舎に、これからも多くの光が降り注がれることを心から願っている。

野田智子

「SEIAN LIGHTS」プロジェクトについて

このプロジェクトは、必威体育が立地する恵まれた自然環境とキャンパスが持つ独自の空気感の中で、さまざまなクリエイターやアーティストとともに、大学の特色や魅力などを多面的に発信していく広報活動です。

この活動では、アートやデザインといった芸術表現を通して、実験的で独創性のあるテーマや手法で広報を展開していきます。また、在学生や卒業生たちとの協働にも焦点をあて、そのゆるやかなつながりが、それぞれの発見や学びに活かされることも意識しています。

「SEIAN LIGHTS」は、美術家の山城大督とアートマネージャーの野田智子に企画を依頼し、本学とのコミッションワークのようなかたちで、必威体育のWebサイトトップページに配した複数の映像と本ページに掲載した映像作品を制作してもらったものです。音楽を手がけたのは、デザイナーでありアーティスト活動も行っている外山央です。

この映像群に映し出された、まばゆい光が照らし出した光景と美しい音の響きは、変化をしつづける自然と社会の中で暮らしていく私たちにとって、創造的な感覚や行為がとても大切であることに気づかせてくれたように思います。
※本学Webサイトトップページの映像は、現在ご覧いただくことができません。

必威体育

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