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学部共通ほか

卒業制作展2018レポート 【美術領域】

2018.08.25

日本画、洋画、現代アート。自分の声を作品で届ける美術領域編

美術領域ってどんなところ?

美術の基本である「描くこと」「つくること」「表現すること」を通して、さまざまな技法や知識、表現力を高め、アートに必要な基本技術を養っていきます。同時に、「なぜこの作品を作るのか?」「何を世の中に伝えたいのか?」と、自分自身や社会を見つめ、考え抜く力も養っていきます。卒業生は、美術やデザイン、広告、商品開発など、幅広い分野で活躍しています。



伝統的な技法を学びながら“今”を表現

必威体育の美術領域には、鉱物や植物など自然素材でできた素材を用いて表現する日本画コースと、西洋絵画の専門的なプロセスや技法、画材などを学び、表現の幅を広げる洋画コース、多種多様な素材やメディアを用いる現代アートコースがあります。

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「おとせ入水」(渡邉 愛さん)は、日本画コースで優秀賞を獲得した作品。屏風に描かれた作品を前にすると、美しさと怖さ、儚さのようなものがじわりじわりと襲ってきます。

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 美術領域?高田 学准教授(日本画コース担当)によると、日本画コースには日本の古典美術が好きで、和のデザイン要素を学んで作品に取り入れたいと考える学生が多いそう。
「日本画は観察?写生?制作中の絵の具の乾燥など、それぞれゆったりと時間がかかるためか、おっとり物静かな学生が多いかもしれません。近年とても優秀な学生が増えていて、4年間のなかで対象をしっかり観察して日本画の制作スタンスを学び、日本美術の要素に理解を深めてくれます。入学時はほとんど目立たなかった学生が、3年生になると自身の表現の独自性に気づき、自信を持って作品を発表することもありますね」。



真っ白なキャンバスに描かれる新しい世界

西洋絵画の古典技法からシルクスクリーンまで幅広く絵画表現を学ぶ一方、3年次からは各自のテーマを追求し、作品を制作する洋画コース。

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 卒業制作展で発表されていた作品も、抽象的な作品から、ポップで鮮やかな色彩の作品、身近なモチーフを描いた作品まで実にさまざま。
 ただ、何もない白いキャンバスに自分の世界をぶつけることは、簡単なことではありません。
「2年生の後期から3年生あたりに、自分の作品に対して不安を抱き、自信をなくす学生も少なくありません。そんななかでも、“制作が楽しい”とか“良い作品をつくりたい”という想いでしっかりと制作に励んだり、学生同士で刺激し合ったりして、3年生の後期から4年生になると、自分の作品テーマや表現方法に納得していく。その頃には、自信も持ち始め、考え方もしっかりしてきたように思います」と、美術領域?伊庭靖子教授。

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優秀賞作品の「きっと4a/きっと4b」(坂下菜緒さん)は、大型のキャンバス2枚で構成された作品。淡い色彩で描かれた抽象的なかたちは、植物を拡大鏡で覗いたようでもあり、新しい生命体の一部のようにも見えてきます。



素材も技法も発想次第の自由な表現

絵画、彫刻のみならず、写真、パフォーマンス、最新のテクノロジーや自然現象、人と人とのコミュニケーションを生み出す“仕掛け”や“仕組み”など、アイデアとテーマ次第で自在な表現が可能な現代アート。

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現代アートコースでは、平面?立体?メディア?場をテーマにした作品制作から素材や技法を学び、あらゆるメディアや素材を駆使して自分の表現を確立していきます。

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 優秀賞を獲得した「かたちをのこして」(走出渉子さん)は、暗闇の中に吊るされたペンライトを、鑑賞者が動かすことで光の軌跡が床に描かれるという作品。
 床には畜光シートが敷かれ、鑑賞者が去ってもしばらくは光が描いたラインがその場に残ります。会場では子どもたちがはしゃぎながらペンライトを動かしている様子が印象的でした。

取材日:2018/02/11
取材?文:小西七重
写真:加納俊輔

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